2014年2月3日(月)午後2時30分から三翠園において152名(うち委任80名)の出席を得て2014年度通常総会が開催されました。
冒頭の挨拶で、中澤陽一代表幹事が任期満了により退任される西山彰一代表幹事への謝辞を述べたあと、次のとおり開会挨拶を行った。
〈中澤代表幹事挨拶〉
土佐経済同友会は2011年12月の「高知県10年ビジョンの提言」を基に、「日本一の幸福実感県・高知」~土佐的循環型・共生社会の実現~を目指して活動を行っています。
「高知県10年ビジョン」の根幹は、地域の新しい価値観としての高知県独自の豊かさや幸福感の指標である高知県民総幸度GKH(Gross Kochi Happiness)の向上を柱として成り立っており、昨年度は、その具体的内容により踏み込んだ以下の提言を策定しました。
・「高知県GKH県民会議(仮称)設置」の提言
・「土佐的循環型社会の実現に向けて」の提言
・「観光学の取組による更なる観光振興」への提言
・「第一次産業活性化」への提言
以上、4つの提言書を昨年12月から今年1月にかけて県に提出しました。
本年は高知県が目指すべき、GKHを核とした地域独自の価値観に関する論議が本格的にスタートする年になろうと思います。
昨年からアベノミクスにより、日本の経済は徐々に回復し、今後は2020年の東京オリンピックに向けて、それらは更に活発となっていく期待があります。
一方で、その事により首都圏への経済一極集中が加速され、大都市と地方との格差は更に大きくなっていくと予想されます。地方都市がミニ東京を目指し、地方に住む人々が都会に憧れた時代は遠い過去のものとなり、地方の価値を問われる時代となりました。
日本の国は大多数の人々がそれぞれの地方、地域で暮らしながら成り立っているのが現実です。
その中でも特にこの高知は、首都圏とは最も対極にある地域だと考えます。
人は誰でもそれぞれの人生や家族の幸福を求め、常に「物」と「心」の豊かさを求めて暮らしています。一人の人間として求めるその生活は、人為的なものと自然、論理と感性といった相対するもののバランスの上に成り立っていて「物」と「心」も同様に捉えるべきものです。
この事は国全体においても同様で、経済が活発となり、大都市に向けてあらゆる「物」が集中すればする程、地方や地域にしかないものの持つ「心」の豊かさという視点に立った価値は相対的に大きくなるべきで、その事により全体としてバランスのとれた国の安定が保たれるものと考えます。その為、本来地方が、あるいはその地域が持っている「心」の豊かさという価値を改めて認識し、それを魅力的な、より価値あるものとして磨き上げていく事が、日本全体の健全性という視点からも重要な時代に入ったと思います。
特に大都市とは対極にある高知は、独自の価値観を持ち得る地域です。今こそ、この高知の持つ独自の価値を磨き上げ、その最大化に向けて「日本一の幸福実感県・高知」を目指して、「心」の価値に重点を置いた地域作りを進める事が日本の中で高知の存在意義を大きくすると考えます。
景気の動向とは無関係に農業を目指す若者が増えてきたり、クリエイティブな仕事をする人達が地方の魅力に引かれ暮らし始めたりしています。
特にそういった心の豊かさを求め、それを重要視する人々に対して、「日本一の幸福実感県・高知」としてブランディングを進める事は、彼らが日本の中で求める魅力的な地域としての共感を得る戦略としても非常に重要で、それらは共鳴し、より大きな振幅が起こる可能性もあります。
土佐経済同友会が2007年に「日本一輝く田舎」として掲げた姿の実現が高知の向かうべき方向だと、今改めて感じます。
本年10月3日には、第112回西日本経済同友会会員合同懇談会が高知において開催されます。そして今回のテーマを「高知家が育む県民幸福度GKH」~日本一輝く田舎を目指して~と致しました。高知が進もうとする方向性を自信を持って全国に発信していきたいと考えます。
土佐経済同友会が描く高知県独自の幸福感に基づく地域価値の向上と、その実現に向けて活発な論議を大いに深めて頂きたいと思います。
会員の皆様の絶大なるご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。
引続き、中澤陽一代表幹事が議長となって議事がすすめられました。今回付議された議案は、次ぎのとおりですがいずれも満場一致で承認され、新たな代表幹事に吉澤文治郎氏が選任されました。
第1号議案 2013年度事業報告
第2号議案 2013年度収支決算
第3号議案 土佐経済同友会規約、役員選任規定の内規及び旅費補助規定の改定
第4号議案 役員の改選
第5号議案 2014年度事業計画
第6号議案 2014年度収支予算
第7号議案 第112回西日本経済同友会会員合同懇談会 開催要領と特別会計
その後、観光振興委員会、第一次産業活性化委員会、環境問題委員会、GKH委員会の各委員長より提言報告の後、観光振興員会黒笹慈幾より「歩き遍路のご紹介」と題した講演を行いました。
最後に、会場を隣の部屋に移し、来賓を代表し尾﨑正直高知県知事、岡﨑誠也高知市市長からお祝辞をいただき、広末幸彦高知県・高知市商店街振興組合連合会理事長の音頭で乾杯の後、賀詞交歓パーティーに入り、懇親を深め、吉澤文治郎新代表幹事の中締めで盛会裏に終了しました。