※2

地方行財政改革委員会 9月例会 議事録

2019年度 土佐経済同友会 地方行財政改革委員会

日時:令和元年9月2日(月)11:30~13:05

場所:関㈱ 本社 2階会議室

出席者:委員長  関浩明

委員    牛田美香  岡村岳尚  奥田興二  高村禎二  野村久雄  出口学  依光晃一郎  三木英稔

オブザーバー:池内泰司( 関㈱ 総務部 )

 

 

関浩明      それでは、9月の例会を始めたいと思います。8月例会にご出席された方、されなかった方、いらっしゃると思いますが、8月は「紛糾の会」でございました。「令和の大合併」ということを軸に、併せて、「議員定数の削減」ということも含め、提言を進めてきたところですが、皆様からの意見として、「今、合併というのは、どうなのか」、「それよりも」というような、「色々と出た」、ということを、まずは、報告させていただきます。内容としましては、先日、電子メールで、皆さまにお送りしておるとおりです。そこで、私なりに、色々と考えまして、ちょっと、軌道修正させていただき、作成したものが、皆さまのお手元にあるかと思います。

 

将来的には、市町村合併は必要だろうというのが、「提言1」。「財布がどうとか、知事がどうとかはともかく、現実的には、「市町村連携」をどんどんやる」これが、「提言2」。「それによって、効率的な事務運営等を加速させることを、できるだけ、早くたくさんやる」、という路線に、変更してはどうかな、と思っております。それで、これにつきまして、前回、出席された方も、欠席された方も、ご意見を頂戴できれば、というところなのです。依光議員、いかがでしょうか。

 

依光晃一郎   「業務の効率化」ということを、具体的に提案するということで、空欄にはなっていますが、これは、色んなことができるでしょうから、これをやることによって、具体的な提言になると思います。この軌道修正であれば、色々な情報提供ができると思います。前回ほどのアレルギーは、個人的には、なくなりました。

 

関浩明       提言の最後に、名前があるかどうか。

 

依光晃一郎   「うちのこと」で言うと、南国市、香美市、香南市を合体させようという人もいるのですが、「はたして、それで、良いのだろうか」、という疑問がありますので。小さな自治体は、合併しないと厳しくなるということもあるのでしょうけれども、現状の予算などを見てみると、合併しなければ、死活問題であるというような状況にはない、という感じもします。まあ、「国のさじ加減」というところもあるのでしょうけれども。また、「提言2」は、絶対に必要だろうと思います。

 

関浩明       野村さんから頂いたご意見の中で、「市町村合併、それは、何時の?」というものがありましたが、10年、20年というような長期的なスパンでは、改めて、市町村合併が必要だろうということにもなるでしょうが、それはそれで。財政というよりは、雇用ということに視点を変えて、とにかく、我々、民間企業にしても、雇用で非常に苦しんでいる昨今でございますので、市町村にしても同様だろうと。特に、田舎になればなるほど、深刻な問題であろうと。そういう部分にフォーカスをあてたとすると、中長期的には、やはり、市町村合併は要るのだろうと思います。ただ、今の段階では、市町村の枠を越えた「連携」を、色々なかたちでしていくということで、前回、お配りしましたが、尾崎知事との懇談会の際にいただいた資料ではあるのですが、「こうち広域行政推進プロジェクト」ということで、県内でも、それほど多くはないにしても、このような取組みをしているということでした。そこで、我々としては、さらに、「こういったこともできないか」、「ああいったことはどうか」、というようなことを盛り込んで、かたち作っていければな、と考えているところです。

 

前回、少しお話ししたことで、すごく小さなことではあるのですが、皆さんにお配りしたのは、当社で、毎年、年明けに、各市町村に対して、給与支払い報告書として、提出しているものです。高知市、南国市、香美市、四万十市。これは、従業員の各住所地に提出しているものです。毎回、結構な手間がかかっているのですが、要は、この書類のフォーマットが、全ての自治体で、違っているのです。こういったところが、例えば、高知県として、統一したフォーマットとなるならば、非常に楽になるだろうと思います。あるいは、自治体ごとに提出するのではなく、県税事務所に提出すれば、そこから、各自治体へ連絡がいくといったようなことにしたとすれば、行政にしても、我々の手間も含めて、仕事自体がシュリンクされて、効率的になってくるんじゃないか、というように思っているところです。こういうようなところを、どれだけ、市町村連携ということで、ぶつけられるのか、というところだと思います。

 

依光晃一郎   実際、こういうようなことはたくさんありまして、私がフォローした事例では、設計士さんから、

競争入札の際、そのフォーマットが、市町村ごとに違いうということで、どうにかならないかというものがありました。提出する書類にしても、毎回、同じものを出さなければならないので、面倒であるとか。市町村によっては、色、サイズを指定したファイルに綴じて提出するようにというようなところもあります。そういうことを、各市町村、県は知らないということで、県の建設指導課が、設計士さんの担当部署であったので、そこへ行ったことがあります。そういうような事例は、ほかにもたくさんあるでしょうから、調べてもらったらどうかと。業務効率のことを考えれば、成果のある問題だと思います。

 

関浩明       入札は、色々な業者が関わっているでしょうから。

 

依光晃一郎   例えば、納税証明書の提出とか、県の認証があれば省略できる、といったような。市町村ごとに、色々な証明書を提出しているのだろうと思います。

 

関浩明       県の産業振興計画「ソサイエティ5.0」ということで、その辺り、「県と市町村とが、情報の共有化を推進していきたい」というのが、尾崎知事の考えだったようですが。

 

依光晃一郎   その辺りをどうするのかというのが、分からないところで、管轄は、総務省なんですよ。正に、次の県知事候補の浜田氏が、マイナンバーを、この間までやっていたと思うので、一番詳しい人ではあるんですけれども。情報を上手くやり取りするということで、ペーパーレスでといったように。例えば、マイナンバーを使って、コンビニで住民票が取れますとか。具体的には、何がどのように変わるのかということまでは聞いたことがないのですが、システムの導入ということが、必ず入ってきますから。総務省が旗を振って進めていくのでしょうが、まだ、具体的に、「ソサイエティ5.0」で、どう変わるのかというところまでは。

 

関浩明       県外でも事例がないのですか。

 

依光晃一郎   これは、私の想像なのですが、国の予算というのは、手を挙げないとお金は入って来ません。高知県が、「ソサイエティ5.0」をやります、と宣言すると、それに関連する予算が下りてくるというようなことがありますので、県庁の職員さんにしても、「ソサイエティ5.0」に関して、具体的に分かっていて、積極的に導入するというよりは、国からの予算取りということで、「それも書いておけ」ということだったのかも知れません。

 

関浩明      この会には、システムの会社の方がいらっしゃらないので、詳しいことが分からないのですが、各市町村の基幹システムといったものは、市町村ごとに、それぞれ、作っているんですよね。

 

依光晃一郎   そうだと思います。必ず入札するんですよ。最近で言えば、県が、防災アプリを3,000~4,000万円で発注したのですが、それは、スマホのアプリで、色々な災害情報が分かるというものなんですけど。ただ、それは、既に導入している自治体もあるでしょうから、それをもらってくるということもできないことはないのでしょうが。その3,000~4,000万円というのは、開発費も含めた金額です。国の方から、「こういうものを作りました、使ってください」となれば、楽なんですが、防災関係は、一から作っています。税務の関係なら、もしかすると、総務省で作っているのかも知れませんが。

 

関浩明      それは、高知県の話ですか。

 

依光晃一郎   県、市町村、バラバラ。ただ、高知県の防災総合情報システムというのは、市町村と連動しているので、それは、一緒にやっています。情報を吸い上げるためのシステムなんですけど。

 

関浩明       例えば、安芸市で何かあったとして、安芸市役所の職員が、現状、こうです、ということを、リアルタイムで、何かしら入力したとすると、それが、県への情報としてアップロードされるし、一般の県民らも、それを見ることができるということですか。

 

依光晃一郎   県が把握できるのが、どういう情報なのかというと、例えば、「避難所に何人いるのか」とかいったもので、それをベースにして、総合防災会議というようなものを、定期的に、朝やったり、夕方やったりとかしています。ただ、それは、「実際、そこに、どのような人がいるのか」というようなことは分からず、数字でしか見えていないというところはあります。土木関係であれば、出先の、例えば、安芸土木事務所が対応するでしょうが、災害救助は、基本的には、担当は、市町村なんですよ。だから、「基本的には、市町村がやってくださいね」、それに対して「フォローします」というのが、県の体制です。

 

関浩明       防災の関係のシステムで多いのは。

 

依光晃一郎   県は「電算センター」が多いです。「富士通」なんかもあるんですけど。何億円というシステムなので、できる業者は、何社かしかないのが実情です。

 

関浩明       市町村なら、もっと違うソフト会社もあるけれども、バラバラだということですか。

 

依光晃一郎   そうだと思います。ただ、防災アプリを市町村で作るというのは、なかなか。

 

関浩明       例えば、住民票のシステムとかは。

 

依光晃一郎   それは、おそらく、総務省の推奨のものを使っていると思います。それ以外の、個別に、ソフトが要るということになったときには、それぞれで、開発していると思います。住民向けのアプリとかも、それぞれ、やっています。

 

関浩明       総務省出身の浜田氏が知事となった時には、もしかすると、市町村合併を推進するかも知れませんね。

 

依光晃一郎   防災の担当をされていた方なので、多分、この辺りが得意分野だろうと思います。

 

関浩明       本件につきまして、たくさんの指摘をいただきました、栗田さんからは、メールでご意見を頂戴しています。ご意見の要旨としましては、「将来的には、市町村合併はしなければならないだろうけれども、市町村で連携するとして、こんなこと、あんなこと、提言によって、重みが変わってくるだろう」ということなのだと思います。

実際、市町村の連携としては、「東部博」だとか、観光関係では、色々と連携しているようですが、行政の業務については、まだまだ、というところがあると思いますので、そこにフォーカスをあてて、色々なメニューを並べていきたいと考えております。高村さん、ご意見はありませんか。

 

高村禎二     江戸時代のことを考えると、土佐藩が一藩あって、その中にあったのは「村」。「村」が集まって、「郷」みたいのがあった。そこで、「村」で、地方自治ができていたのかというと、それは違うんですよ。税金の徴収システムとして、「村」に「庄屋」があって、「庄屋」に年貢米を持って行けば良い、ということだけの組織だったんで、「藩」としての政策というのが、各村々に行き渡ってたはずなんですよ。各村々で、「ここの道が悪い」といったことは、おそらく、「村」の人間が、集まってきて、「皆で直そう」、そういういうかたちの地方自治だったと思います。そういうことを考えると、今は、地方自治の「し過ぎ」じゃないのかと思うのです。例えば、香美市に観光振興の部署があって、香南市に観光振興の部署があって、南国市に観光振興の部署があって、観光振興とか、産業振興とか、「皆が、バラバラにやる意味があるのかな」と思います。それぞれの市町村で担当するものがあるとしても、そういうようなものは、県が、一括してやってもいいような感じがするんです。観光振興とか、産業振興とかは、もっと広域的にやるべきではないのかと。先ほど、住民票を出すためのシステムであるとか、税金徴収のシステムであるとか、それぞれの市町村にあるシステムは、クラウドに載せて、データがどこにあるのか分からないようにして、同じシステムを使って、というようなやり方にしていけば、コストを、すごく下げられるような気がするんですけど。何が問題なのかというと、「二重行政」。「二重行政」をすることによって、効果があるものはやっていけばいいのでしょうが、そうじゃない、一貫してやっていけばいいようなものは、例えば、各自治体の、同じ業務の各担当者が、定期的に集まって、一つにしていくとか。多分、皆、自分の仕事を取られたくないだろいうから、抵抗するだろうけれども、そこは、民間業者が入った方がいいかも知れないんですけど。

県のアウトソーシングの委員をやっていたことがあるんですけど、あの時も、民間の人が集まって、県の行政フローを全部出してもらって、その中で、「仕事を、出せる、出せない」という判断をしていきました。

だから、「合併」というかたちじゃなくても、「業務を効率化する」という観点で、先に進めていったら、結果的に、「合併した方が良いのでは」、「同じことをやっているし」、みたいな結果になるのではないかと、話を聞きながら、そんな気がしました。

 

関浩明       実際、この「広域行政推進プロジェクト」といっても、「どういう人が、どういうことをしているのか」ということが分からないので、それを知りたいと思いますよね。そこで、今、同友会経由で、担当部署に聞いているところです。そういう意思決定を含めてのフローだとか、学ぶ機会を、できれば、10月に設けたいなと思っています。一方で、各市町村が、公務員の採用で苦労している現状ということも聞いておかないといけませんので、それも、機会を持とうと思っています。

香美市、香南市が、龍馬パスを活用して、「アンパンマンミュージアム」、「龍河洞」、「歴史民俗資料館」など、スタンプラリー的なことをしていますね。色々とやってはいるのかなあとは思いますけど。

高村さん、途中おっしゃられた、「民間をからめて、県と協議」、というのは。

 

高村禎二     県と言うのか、単に、自治体の担当者だけが集まったら、皆、「その仕事を出したくない、囲っておきたい」、という意識の方が強いと思うので、「一緒にやっても良いが、ここは自分で持ちたい」という、縄張り意識的なものがあると思うんですよ。それを、第三者的な人が聴くことで、「ここは一緒にやった方が良い」だとか、「ここは持たなければ」というように、できるのではないかと。それを、関係者だけでやっていると、ガードしてしまう危険があります。

 

関浩明       そういった会みたいなものが、あるんですか。

 

高村禎二     ないと思います。

 

依光晃一郎   市町村というのは、一つ一つが会社のようなものだと思いますから、お互いに、どういうような運営をしているのかということが、なかなか、分かりにくいのです。

 

関浩明       「まち・ひと・しごと 創生総合戦略」の高知市版では、その戦略が正しいかどうかということを、第三者機関というのか、外の委員、有識者会議を別に持って、意見を求める、といったような、スキームがあったように思います。この「推進プロジェクト」にしても、どんなことをしているのかということは聞いたのですが、もっと、ここで、民間の知恵というのか、行革プロジェクトのようなものを、提言に加えて、「民間、県で、市町村の仕事を減らすような会議をしましょう」というような提言でも、良いような気がします。もちろん、市町村の抵抗もあるでしょうけれども。

 

依光晃一郎   一つの市町村が、「一つの仕事を二人でやっています」というところと、「一つの仕事を一人でやっています」というところがあったとして、外から見れば、一人でやっているところの方が、効率は良いわけですよね。しかし、市町村ごとに聞いてみると、「困っていません」ということになります。これでいくと、「市町村の希望を聴いた上で」とありますが、市町村によっては、「二人の仕事です」というものでも、実際は「一人でできる仕事」なのかも知れません。だから、市町村のニーズを聴いてプロジェクトをしようとしても、「困っていない」ということなら、このテーブルに上がってくることが、そもそも、ないということになるでしょう。だから、業務ごとに、市町村で、「効率的なところはどこで、効率が悪いところはどこ」ということが、俯瞰的に見られたとするなら、例えば、コンサルティングが入ったりすることも、容易になると思います。民間であったら、「利益を出すために、コストを下げようとする」ようなモチベーションというものがあると思うのですが、行政には、それがないので、「困っていません」というような答えしか返ってこないでしょうし。そもそも、そこで、「あそこは、これこれ、非効率なので」と、踏み込んでいくのが、本当は、議員の仕事なのでしょうけれど。「効率化」ということで、市町村の思っていることと、民間の思っていることとは、全く違っているし、例えば、梼原町のように、凄く仕事をしている市町村と、そうでない市町村とでは、また、違うでしょうし。そこが、どうしても、難しいところかな、と思います。

 

出口学       それも含めて、市町村レベルで、「横と一緒に、同じ仕事をしている人が、話をしたら、どうか」と思いますよね。今、多分、提言しなきゃいけないのは、まずは、「連携」、「同じ仕事をやっている人、他の自治体は、どうやっているのかな」ということ。その次は、多分、「協働」で、例えば、「この業務って、うちとあなたと、システムは違うけど、同じシステムで回したら、この刷り出しの紙も一緒になるよね」となると、さっき、おっしゃられた、「実質、合併状態」ということになるでしょう。僕らは、「形式的に合併すること」に興味をもっているのではなくて、「実質的に、機能があって、効率化させること」に興味があるのですから、まずは、最初、「撒き餌」というのか、「それぞれ、「連携」をどんどん進めてください」ということで、そのオンブズマンというのが、一つは、県ですと。県の視点としては、「同じ行政の専門家」として。もう一つは、民間ですと。民間というのは、「経営者目線」もあるでしょうが、「利用者目線」でも、というようなかたちで、まずは「連携」、その次「協働」、協働化できるものが、どんどん増えていくと、多分、人は。

で、ここに書いているように、採用も、「凄く、困っている」ということで、各地方自治体というのは、行政の各専門職の集まりというところがあって、色々な専門職の方がおられるでしょうが、それが、「どんどん、取り合いになってきていますよね」というときに、「各自治体単位で揃えるは、無理」なんだけど、「だからといって、いきなり合併には踏み出せない」というのも、気持ちは、ちょっと、分かるんです。なので、とりあえずは、中域、広域で、同じ業務をやっているところと連携して、一時的に、出向とか、回すようなことで。ノウハウも残しておかなければいけない。どんどん人は減っているけれども、道路の専門家が町にいなくなったというようなことが、遅かれ早かれ、出てくるということなら、それを見越して、同じような仕事の進め方にして、発注のフローも「近隣の県も、全部、一緒なんです」から、その次、「共同発注できるんです。」なら、「同じタイミングで、一括、発注できます。」ということになりますよね。多分。

ということが「提言2」だと思うので、この「提言2」が、もの凄くできてくると、「提言1」というのは、半自動的に、できるのでしょう。

ただ、これは高知県だけの問題ではなくて、全国の市町村の問題でしょうから、ルールとして、「市の役割とは、こうである」、「県の役割とは、こうである」というのがあるのでしたら、高知県だけ「別ルール」というのは、できないでしょうから、それは、「形式的には、別なんだけど、バーチャルでは、一自治体になっていますよ」というところに持って行くというのが、「他県にしても、これから人口が減少していくでしょう」ということを考えると、それが、「僕らは、率先して、こういう取り組みをやってったんですよ」という、「課題解決の先進県としてのやり方」と言えるんじゃないのかなあ、という気がします。

 

関浩明       出向ということで言うと、今、北川村の副村長は、県から来ているんですよね。ほかにも、ちょこちょこ、県から各市町村へ、人を出向させているようなのですが。

 

依光晃一郎   交流人事ということで、例えば、香美市でも、防災のところに、研修みたいなかたちで、行くということはあります。1年間とかの期間で。そこでの良いところは、県のスピード感だとか、あとは、人脈ができるであるとか。はやり、「人を育てる」というのは、「現場で鍛えられる」ということがあると思うんですよ。そういう意味で言うと、県の土木というのは、色々と周るんですが、例えば、先般の「7月豪雨」の時には、安芸だとか、宿毛だとか、忙しい所に偏るわけです。そうなると、「中央東土木」とかから、出向というのか、県の職員が応援に行ったりします。それで、ノウハウが掴めると。例えば、香美市、香南市、南国市の中では、香美市で非常に災害が多いんですよ。繁藤災害だとか。雨が多いので、土砂崩れだとか。突然、台風が来たとすると、香南市とか、職員はいるんですけど、全くそういった経験がないので、大変なんです。多分、県の土木事務所が支援していると思います。そこで、香美市の職員が慣れているから、香南市の手伝いに行くだとかいうのは、なかなか、無理だと思います。業務内容は同じだと思うのですが。だから、経験を積ませるという意味で、各自治体の土木職員とかが、市とか、県とか関係なく動ける、ということになったら、高知県の防災の能力は、きっと上がると思いますよ。今の前提では、発注業務とか、全部、香南市がやっているんですが、慣れていないので。土木事務所がフォローしているのか。まあ、建設業界の方が慣れているので。建設会社がフォローしているのかも知れませんが。

そんなことで、人事交流に関しましては、県と市町村との間では、ありますが、市町村間では、あまりないですね。災害の時、職員が「全く経験していない」といったこともあります。「もう、ここ20年、台風、来てません」とか。今、高知市で問題になっているのが、「98豪雨」の時の職員が退職していっているということです。やがて、豪雨災害とかの経験者がいなくなってしまって、もしも、災害が来たとしたら、高知市の「本来ならできることが、できないかも知れない」、ということが言われています。

 

関浩明       「連携」の話になると、どうしても、まず、災害、土木の話になってしまいますね。

 

依光晃一郎   やはり、それだけ切実な問題ですから。

 

関浩明       県内で、土木関係に従事する人の割合も、それなりにあることは事実であるし、県、市町村でも、それに携わる人が多いということが前提となって、やはり、こういう話になっているのかなあと思うところです。

 

高村禎二     採用というか、応募が少ないのかな。

 

依光晃一郎   技術職とか、全部、東京に取られてしまっています。また、香美市で採用内定していた者が、高知県庁へ行ったとか。土木技術職というのは、高専とか、大学の土木とかで、複数受験する人が多いのですが、初任給で見ると、東京の民間企業の方が高いのですから。県庁は、「県外に取られる」と言うし。市町村は「県に取られる」と。結局、求めている人材は同じなので。

 

出口学       だからこそ、「一人で何役も」、「複数の自治体ができる」ようにしておかないといけないのでしょうね。さっきあったように、「東部で何か起きた時に、西部から応援に行ける」というように、ある程度、業務が共通化していて、「一回、行ったことがある。」、「あそこ、こうなってたよね。」ぐらいの土木の専門職を作っておかないと。

 

高村禎二     そういう意味でも、業務の、書式から、何から、統一化するということが必要なのでしょう。

 

依光晃一郎   東北の地震の時に、東北の市町村に、市役所とか、県庁とか、県庁の職員がほとんどだったんですが、その事例の一つとして、あったかと思います。それは、国が予算を出していました。職員さんが流された市町村も、たくさんありましたから。だから、絶対にできないということは、ないと思います。

 

奥田興二     「県が頭を取る」というのは可能なのでしょうか。

 

依光晃一郎    詳細は分かりませんが、国の方から「行ってほしい」というお達しがあったと聞いています。

 

奥田興二     大災害の時は、そうでしたけど、今、言われているような、色んな業務の効率化を図るのに、「県が頭を取って」、各市町村の役割分担を、ある程度、イニシアティブを取って、交流していくということは、あり得ることなのですか。

 

依光晃一郎   首長さんの思いもあって、「今は、うちは、困っていません」、ということなら、そのままになるかも知れません。客観的な評価というものがないんですよ。誰しも、「うちは効率の悪い市町村」とは思っていないでしょうし。「こうやったら、もっと、楽になるんじゃないですか」、でも、「うちは、要りません」とか。県にしても、音頭を取ることはできるでしょうが、やはり、手を挙げてくれない限りは、応援はできないと思います。あくまでも、「一つの市町村は、一つの市町村として、自己完結でやっていく」ということです。上下関係にはないので。

 

関浩明       例えば、宿毛で災害があったとして、そこで、須崎の同じ仕事をしている人間が、そこへ行けるのかということですね。

 

依光晃一郎   給与の面でも問題となります。例えば、出向で、県庁の職員が、北川村へ行くとするなら、一度、県庁を退職して、北川村へ行っているのだと思います。「割愛人事」というのも、国を辞めて、高知県庁の職員となって、給与は、給与表というものに基づいて、元の給与と同程度の給与をもらえるというかたちになっています。そこで、香美市の職員が、宿毛市へ応援に行ったとして、「給与はどちらが支払うのか」というところは、ちょっと揉めることになります。だから、その辺りのルールを作っておかないといけないでしょう。県の土木事務所なら、県庁内の人事異動で済むんですけど。

 

関浩明      県の職員が、災害時に、香美市に行くといったことはできるけれども、香南市の職員が、香美市で災害があったからということで、市をまたいで行って仕事をするというようなことはできないということですね。

 

依光晃一郎   市どうしの応援というのは、ルールが、多分、ないと思います。業務に関わらない、ちょっとした応援、ボランティア的なことはあると思いますけど、仕事としてやれるのかというと、それは、多分、給与の支払いとかの問題も生じてくるので。ただ、もし、それができたとすれば、一番、効率的で、災害がないときに、災害担当の職員を、ずっと置いておく必要もなくなるので。

 

野村久雄     協定を結べば、可能なのではないでしょうか。

 

依光晃一郎   災害協定、それが、あるのかどうか。あまり聞いたことがありません。

 

野村久雄     県が、民間との間で、例えば、災害時に、「拠点として利用したい」というような協定を結ぶことがありますが、そういうような協定はできるのではないでしょうか。

 

依光晃一郎   「助け合い」ということで、やっているところがあるかも知れませんが。まあ、「慣れていない仕事というのは、効率が悪い」ものなので、「できないことはないが、効率が悪いから」、ということで、していないのかも知れません。

 

関浩明       災害時、現場へ行くとなると、何かしらの「危険手当」のようなものが支給されるのではないでしょうか。各市町村で、毎年、そのコストの発生を見込んで予算組みをしているのだと思います。ところが、そこに、他の市町村からの応援が来ることになると、その費用負担をどうするのか、ということになるのでしょうね。

 

依光晃一郎   よくある話として、地震が発生した時、南国市の住民が、香美市が高台にあるということで、避難してくるだろうと言われています。その時、香美市が、災害用の食料などを「香美市民のために備蓄しているのだから、南国市の住民には与えない」ということには、人道上の問題として、やっぱり、ならないでしょう。しかし、南国市が、「その時に備えて、事前に、香美市に保管しておこう」ということにもならないでしょう。だから、「緊急時には、助け合うけれども、日常では、助け合わない」というところが、どうしても、あると思います。仮に、防災協定を結んでいたとしても、想定どおりとなるとは限らないので、やはり、「南国市は、南国市の責任で、南国市民を守ります」と言うのだろうけれども、多分、南国市民は、香美市に逃げてくるのでしょう。

 

野村久雄     緊急時には、「人の道に反するから、食料を分け与えないというわけにはいかない」ということではありますが、そうであったとしても、やっぱり、協定は結んでおくべきなのではないでしょうか。

 

依光晃一郎   被害想定のシミュレーションでは、南国市の住民は、南国市の避難所へ入ることになっているのです。そこに、広域行政の難しさがあると思います。

 

奥田興二     今の話だと、提携先は、各地域の首長ということになりますよね。

 

依光晃一郎   ただ、効率化に関しては、それぞれの市町村ごとに、できているのかどうかということを、同じ業務を見て、比べてみたら、違いが分かるとは思います。

 

関浩明       ただ、実際には、見るのは難しいでしょう。

 

岡村岳尚     市町村側に視点をおいたとすると、こういうことは、進まないでしょうね。

 

出口学       この提言を読んだとして、「そうだよね」と思う箇所を散りばめておかないと、「何を言っているのかな」ということになるでしょう。今、多分、一番、厳しいのは、専門性のある人がいない、今も採用に困っているのに、これから、ますます、困ってくるということでしょう。だから、それぞれの人が、共通で仕事をできるような、枠組み、システムにして、という風なところでも、散りばめておかないと、「いや、これは、自分ちで、できるよ」という話になるでしょう。

「うちは困ってない」と言っていても、結局、人がどんどん変わっていくなかで、専門性を持った人がいなくなって、新しい人が採れなくてなりますから。だから、その時になってから、一緒になるのではなくて、今のうちから、応援みたいなことで。自然災害が発生した時に、一番、最初に来るのが、他県からの応援ということになると、やはり、時間がかかるので、県内からの応援が、お互いにできるような態勢をつくっておくことが必要だと思います。

「BCPの観点から」ということで、「近隣の市町村から応援ができるように」、という書き方をしておけばいいと思います。色んな観点で、「共通化しておくべきではありませんか」、ということで。

 

岡村岳尚     県民から言えば、統一して欲しいですよね。

 

出口学       民間からしても、「出す書類が、自治体ごとに違います」とか、そういったことを、一本化することで、住民サービスにもなるし、いざという時のバックアップにもなるし、専門家の共有化にもなるし、というような、色んな角度で、書けないかなあと思います。

 

関浩明       住民サービスにもつながるような、行政改革的な部分を、もっと、それぞれの視点で、このテーブルにあげて、リスト化していくという作業、もしくは、オンブズマン的な、県、民間とすると、市町村の行革に対して、共同プロジェクトを立ち上げるのか、方向性を。

 

奥田興二     広域で上手くいっているのは、ゴミ収集とか、葬祭とか、そういうところですか。

 

依光晃一郎   それは、今、現在、やっていることですよね。

 

関浩明       広域でゴミ収集しているのは、香美市、香南市、南国市。ここが、今、やっているんですよね。

 

奥田興二     実際、広域で、成功している事例というのは、高知県下で、そんなものなんですか。他には、ないんでしょうか。県外の事例でもいいんですけど。

 

池内泰司     介護施設もあります。

 

関浩明       それは、介護施設の物品の購入の窓口を、広域で、ということでしょう。

 

池内泰司     広域市町村事務組合というのがありまして、そこで、ゴミ収集とか。先ほどの、防災もそうなんですが、医療、介護も、切実な問題ですので。小さな市町村ですと、なかなか、というのと、それと、先ほどもありました、人の問題で、職員が、なかなかいないというのがありますので、各市町村で、そういう事務組合を作って。入札とかになるんですけど。当社からは、紙おむつとかを販売しています。

 

奥田興二     そういう組織を作って、共同で、ということですね。

 

依光晃一郎   一つの町で作るには、大き過ぎるものですよね。消防だとかも、安芸とかは、広域でやっていると思います。香美市では、一つの消防がありますけど。市町村の規模によって、「できないものは、共同でやりましょう」という意味の方が多いと思います。「税金が安くなるから、みんなでやりましょう」ということです。

 

関浩明       例えば、消防の職員は、高知市だとか、南国市だとか、自前で、専門職として、雇い入れをしているところもあれば、していないところもあって、していないところは、そのエリアで、ということですよね。警察は高知県ですよね。

 

依光晃一郎   実は、警察というのは、定数が減っていないんですよ。年々、交通事故も減り、犯罪発生率も減っているんですけれども、なぜか、全く、定数が変わってないんです。

 

関浩明       高知県警だから、県の職員なんでしょうけどね。

 

依光晃一郎   採用にしても、別物のイメージがありますからね。

 

関浩明       天皇陛下が来たときなんかに、他県の県警から応援に来たり、逆に、高知県警が応援に行ったりとか、あるじゃないですか、ああいった場合の、応援費用というものは、やはり、国から下りてくるんでしょうか。

 

依光晃一郎   「行幸啓」とかは、国の予算が、後から足されます。警察というのは、特殊で、全国で上手く人事をやっているような、警察庁とか、主幹がありますし、警察学校は、広域の警察学校というのがあって、それなんかは、中四国を一緒にして、養成の部分とかも、しっかりと、やっているんですよ。そういう意味で行くと、行政を学ぶのに、行政の職員が、勉強できる場というのが、実は、なくて、「こうち人づくり広域連合」という、人材育成の研修会の組織というのがあるんですけれども、人材育成という面では、市町村によって、圧倒的なバラつきがあります。そこで、人材育成が効率化できたとすると、結果的に、効率的になるということがあるかも知れないのですが。その点、警察はしっかりしていて、例えば、「逮捕術の全国大会」があったりだとか。民間でも、例えば、「掃除の全国大会」だとか、業界によって、色々な全国大会があるんですけど。行政職員の全国大会があって、「スーパー公務員」とかが出てきたとか、今は、ないですね。だから、採用して、「はずれ」だったとすると、「窓際で、ずっと、回さなければならない」ということになるんです。

 

関浩明       ちょっと、それぞれで、いま一度、行政改革において、具体的に「こんなこと、できたらいいな」というようなところを、ご検討いただきまして、また、この場で、ご提示いただければ、助かります。

 

奥田興二     首長さんから、「なぜ、広域ができないのか」ということを、聞けないでしょうか。簡単に、気楽に呼べる、首長さんというのは、いないのでしょうか。

 

野村久雄     改革に意義を感じていない首長さんは、改革に興味がないでしょうから。

 

岡村岳尚     逆に、なぜ、興味がないのか、そっちを聴いてみたいですよね。

 

野村久雄     意識改革、意義を。

 

高村禎二     梼原町長が同級生ですけど、逆に、参考になるかどうか。

 

依光晃一郎   色々な市町村の経験がある県の職員さんであるとか、北川村の副村長さんとかは、県も見て、村も見ているでしょうから。そういう、市町村を幾つか見ている人が良いと思いますよ。

 

関浩明      北川村の副村長から聞いたところでは、その人のように、県から行ったのは、副村長で、3人目か、4人目だということだったので、事例としては、まだ、あまり、ないんじゃないでしょうか。

 

依光晃一郎   市町村を公平に見ているということでは、市町村の研修をしている、民間の業者とか、あるんですけど、そういう人の話を聞くのは、どうでしょうか。「あそこは、やる気がある」とか、「あそこは、営業かけても、全然だめ」ということが、分かるかも知れません。

 

関浩明        首長さんの話で言うと、奥村委員長時代には、何人の首長さんから話を聞きましたか。

 

奥田興二      清遠さんと、東洋町長の松延さんに、来ていただきました。

 

岡村岳尚      隣同士の首長さんが来てくれたらいいでしょうに。「なんで、広域ができないんですか」と。

 

関浩明        佐川と越知とか。

ちょっと、首長さんにつきましては、また考えておきます。

どんなことが、リスト化できるのかであるとか、ご検討をいただきたいのと、次回、この「広域行政推進プロジェクト」が、どんなかたちで取り組みがなされているのか、ということを聴くということで。10月7日月曜日なんですけど、また、お集りいただければと思います。

それでは、本日は、以上で。ありがとうございました。

 

コメントを残す